ドラゴンツリー 3
それぞれの枝先には、剣の形をした葉が集まってついています。
緑色がかった花はややまばらに束につき、明るい榿赤色のサクランボ形の果実がつきます。
その果実は少し苦いが食べられるといわれています。
果実についての古い記述によれば、それぞれの果実に小さな竜が見られるとありますが、これらは空想的な想像の産物にすぎません。
この木は種子から簡単に育てられますが、種子は草食動物に食べられやすいのです。
しかし、ひとたび発芽すると、成木になって開花するまでに約30年はかかります。
カナリー諸島の種は栽培されていて、南カリフォルニアなどの亜熱帯地域の景観植物としてふつうに用いられています。
もともとは、どちらのドラゴンツリーもたくさんありました。
最近では両種の野生集団はだんだん減少してしまいました。
ドラカエナ・ドラコはいまや、カナリー諸島の7島のうち4島では絶滅してしまい、生き残っている3島でも20個体以下になっています。
マディラとグラン・カナリーの2島ではちょうど5本の木が残っているだけです。
ドラカエナ・キンナバリに関する情報はほとんどありません。
わかっているのは、それが自生するソコトラ島が、植物種にとって好ましい状態ではなくなっているということで、島の固有種の3分の4にあたる数が絶滅を危惧される状態にあるということ。
これらの木に近縁な、北東アフリカのヌビアン・ドラゴンツリーもまた、その生存が脅かされています。
昔は、これらの木から採れるドラゴンの血を入り口の側柱に塗りつけて、悪魔から家を守ったといいます。
そんなことを知るにつけ、これらのまたとない木が、自らの血で自分自身を守れないというのは、なんということだろうと思うのです。